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英語道ゼロ段が行く 〜 その6〜

たしかに、モモは男をあげた。
彼に対する飲みながらの私が与えたコメントは厳しかった。
「お前、まさかオレの英語ができるからトップになったと思っているんじゃないだろうな。相手が弱過ぎたんだ…」

「わかっています。残心は怠りません。先生のブログはずっと読んでいますから、残心を失ったりはしません」

店を出る時に、カズが私に「お願いがあります」という。「何だ」というと、「ぼくの頬をひっぱたいて下さい」と。
(なんだ、まるでオレがアントニオ猪木じゃないか)

軽く彼の頬を殴った。
そんな姿をモモが見ていたはずだ。これがチャンプの風格か。
久しぶりに私も武道家に戻った。さわやかな一日だった。

名古屋ICEEの横山純君(元チャンピオン)、その他裏方の人たち、多くの美談を提供してくれてありがとう。――その夜、私の過去のブログを読み返した。

カズが心に留めている「残心」とはどの日のブログだったのか気になっていた。そうだこれだ。女と別れるときは、斬るな、相手に斬らせよ、それも相手にさとられないように。

人の痛みを知らず勝ち続けるよりも、敗北の痛みを感じながら心底では負けないself-esteemを持ち続けよ、と書いた。カズはこの意味を知っていた。鍛え甲斐のある男だ。

 

2009年7月24日
紘道館館長 松本道弘