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血液型と私 〜 その2〜

血液型なんかと馬鹿にしている人も、一対一で話をしたら、結構信じている人がいるものだ。医者仲間にも。企業の人事課にも ―― 口外はしないが。じゃ私もそんなダブル・スタンダードの双面神(ヤヌス)かといえばそうではない。

私はいやしくもディベーターだ。環境と遺伝のバランスがとれないようでは、血液型(遺伝)が語れない。いわんや書けない。だから、私は、その中庸≠求めて、両極端のサイドの視野から今も好奇心の火を絶やさず、調査を続けている。

とくに科学者でもなければ、医者でもない私が頼りにするのは、聞き込みによる臨床証拠(clinical proof)である。非科学的と科学者からいわれようと、一次情報には随分気をつかってきたはずだが、自分自身の結論に耽溺しないように、クールに自説を突き離し、調査を続け、実験もしてきた。

本来、ディベーターとは、科学者と同じく、少しでも可能性があれば、絶対ウソだとか、絶対ホントと、証拠なしに断罪することはありえない。私がつきあっていて疲れる人は、オール・オア・ナッシングと断ずる頑固で独善的なタイプだ。

C化工のディベート研修の窓口は、私と気のあったO型部長であった。湖畔の研修所には、毎回3/40名の泊りがけの受講者が集まった。そのO型部長と私はよく、事前にアンケートをさせた。それぞれの気性を羅列し、チェック・マークを記入させるが、どの血液型とは記していないから本人にはわからない。予断を与えないためである。そして結果ほぼ当たっていることを確認して、次は実験に移る。グループ毎に分け、ディベート試合の準備をさせる。

O型部長とは呼吸があった。いずれ、チーム編成は、血液型混成チームがよいとの結論に達することになる。二人は無駄な実験をしているわけではなかった。さて、彼らの準備中に、私はこっそり私なりの血液型論に基づいた組織論を書きとめておく。そしてあとで照合するが、これがまたよく当る。
アンケートは数千枚を超え、ダンボール箱に保管しておいた。今は廃棄したが、日記には一部書き留めてある。統計資料を大切にするのもディベーターの役目だ。

Aグループ: スタートは全員、沈黙。一人、二人がポツリポツリ周囲に気をつかいながら何やらしゃべり始める。中には、血液型による分類そのものの意義を問い、そこで熱くなり全く前に進まないAがいる。本質論が好きなAは大前提で納得しなければ進まない。そして準備の30分前はあっという間に過ぎる。その頃から火がつき始めている ―― いつも遅れるのがA。

Bグループ: お互いに勝手なことを言いあうので、テーマはヨコからタテへ進み、本題から離れていく。意見がバラバラだが、だれも止めず、試合寸前までまとまらない。

その3につづく

2008年10月14日
紘道館館長 松本道弘