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狼の音霊 〜 その1〜

丸山直樹博士(日本オオカミ協会会長→ http://www.japan-wolf.org/index.html)の名刺の表にこんな英語のスローガンがあった。
for wolves, nature, and humans.
オオカミ、自然、そして人間。なんと人間が一番後にきている。
深い(Charming!)

現代に生きる南方熊楠。まるでクマグスが二人を引き合わせたようだ。
奇しき縁というより他はない。
7月7日、南伊豆を走るバスの中で詠んだ詩も腐り始める。

人間の言霊より、狼の音霊の方が深淵なのだ。
遠吠えのウォーンという音霊は、一神教の神が天から発するsound spiritだが、どうやら地霊を重んじる多神教のspiritの雄叫びなのかもしれない。

ウーから始まるからだ。wolfも、woman、womb(uterus)、女性の生理はmoonと関係がある。女を口説くのはcoo。フクロウの鳴き声はhoo。moonを動詞に使うと、「夢心地で考える」という意味に変わる。

ウーの音霊にはどこか地中から呼びかけられるような「不気味さ」「狂気」がある。それが流れ出す(ooze)自発性を人が止めるのは難しい。
もし、うっかり口から出たら、Oops!(こりゃ失言)と謝らなければならない。

その2につづく

2008年7月22日
紘道館館長 松本道弘