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空気が裁く日本 〜 その5 〜

この経過をオーストラリアからウォッチしていたある論客から、明らかにして欲しいという依頼があった。私は触れたくなかった。夢枕に立った山本七平氏のあの悲痛な表情を思い浮かべると、胸が痛み、古傷が疼き始めるからだ。

二度と、故人を傷つけることはしたくない。そして故人を傷つけ続ける相手とは、関わりを持ちたくもない。過去は過去と、封印していたはずなのに気が変わった。空気が変わったからだ。

最近、岡留安則氏による『編集長を出せ!』(ソフトバンク新書)を読んだ。『噂の眞相』の編集発行人がホンカツのことに触れている。ホンカツの言動が不可解だと思っている人がかなり多いことがわかった。

朝日新聞の記者の中でもホンカツが本流でないことがわかった。空気が変わってきたのだ。岡留氏はズバリ言う。

「こうした、真実をねじ曲げてまで自己正当化するホンカツの精神構造は、今でも筆者にはまったく理解できない。まさに、和多田進のいう「ヒットラー」並みの嘘も百回言えば真実となる≠ニいうテーゼを実践しただけなのかもしれない。だとすれば、ホンカツはどこか精神構造そのものがおかしいのではないかと思うしかない。ここまで異常性格ぶりを見せつけられると、猪瀬直樹の言論圧力がかわいいレベルに見えてくるではないか。『噂の眞相』史上、虚像と実像がこれほどまでに食い違うジャーナリストは他にいない。かつて評価していたこともある人物だけに、実に残念だ。」(P.34)

不思議に私も岡留氏に共感を覚えるのだ。岡留氏も私も、「空気」に左右されるところがある。
空気の研究家、故山本七平氏の冥福をあらためてここに祈る。

2008年3月11日
紘道館館長 松本道弘