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磁石人間と電池人間

磁石人間には、人が集まる。パワーがある。
電池人間は、群れてパワーに追随する。
こちらから会ってみたいと思う人物は、たいがい磁石人間だ。
常に自分を売り込もうとしている人は、たいがい電池人間だ。

 

磁石人間は、道から離れず、善を積むので、「徳」という磁力がある。
電池人間は、平気で道から離れ、自己PRのための充電に勤しむ。
磁石人間には求心力がある。陽だ。ネアカは他愛的で人を妬まない。
電池人間は中心を恐れ、遠心的に広がる。陰だ。ネクラは自愛的で妬み深い。
その意味で磁石人間は、外はクールだが内はホットで、
電池人間は、外はホットだが内はクールである。

人生哲学は、このように違ってくる。
磁石人間は、失敗することにより、より一層の磁力を身につけるが、
電池人間は、成功することでしか、充電ができない。
磁石人間は、自分さえ納得すればそれでよい。他を意識せず、孤高を楽しむ。
電池人間は、他人との比較において自己を確認するから、他人の眼が気になる。
そして孤独だ。

磁石は、aloneで、ユニークで、めったに出くわさない。
電池は、lonelyで、どこにでも陳列されている。
磁石人間は戦前の教育では、有為の人材として尊重された。
電池人間は戦後の教育では、実社会ですぐに役立つ人間として大量生産された。

磁石人間は、私塾で頭角を現し、歴史により証明された。
電池人間は、戦後の教育を通じ、越前クラゲのように異常発生した。
磁石人間は、人間的な器の大きさにも拘らず、陽の目を見ず、大組織の影に身を潜めてしまった。
電池人間は、頭脳のみで決定される偏差値、資格試験のスコアにより、単1、単2、単3とタテ割に色分けされてしまった。

磁石人間は、起業家精神に富み、リスクを愉しむ余裕とエネルギーがある。
電池人間は、リスクを回避し、変化球に弱く、エネルギーに乏しい。
今の世の中、上は大臣から下は小・中学校の学童に至るまで、すべて電池人間の鋳型にはめられてしまった。
叱られると萎える、自殺する。卒業してニートになる。すぐに切れるか、切れる自分に怯えている電池人間が急増している。
ベンチャーを志す人は、リスクを恐れない、磁力のあるロマンチストでなければならない。

磁石人間を育てるのは、学校ではない。私塾だ。


2007年5月24日
紘道館館長 松本道弘